「私が死んだら葬式もしなくていいし、埋葬する墓もいらないから」最近こういう希望を持つ方が増えているそうです。
こう言われて亡くなられたら残された遺族はどうなると思います?
正直困りますよね。
葬式をしない、墓をつくない、簡単そうですが、現実には色々問題もあります。
この記事では葬式をしない、墓を作らないことで起こる問題を解説していきます。
「葬式も墓もいらない」逝く側の思い・送る側の思い
「葬式も墓もいらない」という逝く側の思いとはどういったものなのでしょう。
考えられるのは、残される家族に負担をかけたくないというのが一番大きいでしょうね。
一般的な葬儀にかかる費用は200万円前後です。
これだけの費用がかかるのなら、葬儀は不要ではないかと考えてもおかしくはありません。
しかし、残される方達はどうでしょうか?
送る側の思い
残されて送る側の方達は、「葬式も墓もいらない」と言われてどう思うでしょうか?
私も数年前父を亡くし、葬式をしました。
その時の経験から言えば、小さくても葬式はしたほうが良いと思います。
理由は、お葬式をすることで気持ちの整理をつけることが出来やすいということです。
通夜、葬儀、火葬と亡くなられたあとは非常に大変です。
しかし、忙しくすることで悲しさがまぎれ、そして送ってあげてひと段落。そうやって気持ちの区切りをつけれるのだと思います。
葬式は亡くなった方のものでもありますが、亡くなった方と残された家族の「別れの儀式」でもあります。
亡くなったという現実を受け入れるためにも必要なものでしょう。
葬式をしない場合のメリット・デメリット
葬式をしない場合、どんなメリット・デメリットがあるかみていきます。
葬式をしない場合のメリット
1)費用が抑えられる
一般的な葬式をすれば、約200万円程度かかる問いされています。しかし、葬式をせず納棺して火葬するだけの直葬ならば、数十万円とずいぶん安く抑えられます。
2)遺族の負担が減る
一般的な葬式の場合、通夜、葬儀、火葬と最低でも2日はかかります。そして、弔問客への対応などゆっくり休む暇もありません。しかし、葬式をしないのであれば、弔問客への対応が無いぶん負担は軽減できます。
葬式をしない場合のデメリット
1)弔問客への対応
葬式をしない場合、後日訃報を知った方達が家に弔問に訪れる可能性が高くなります。ありがたいことですが、自宅で一人一人への弔問を対応することになるので、葬式を行う場合よりも結果的に負担が増えてしまうことにもなりかねません。
2)親族からの反応
葬式をせず家族だけで見送ってしまうと、親族とのトラブルに発展する可能性もあります。直葬はまだまだ一般的ではないため、反対される場合も多いかと思われます。後々トラブルにならないためにも親族間での話し合いや共通認識をきちんと持っておいた方が良いでしょう。
墓を作らないメリット・デメリット
墓を作らない、持たない場合のメリット・デメリットはどんなものがあるでしょうか。
墓を持たない場合の遺骨の供養方法について書いた記事もありますのでよろしければお読みください。
墓を持たないメリット
1)管理費がかからない
墓には維持費がかかります。墓地や霊園によって費用は変わりますが、少なくとも年間数千円はかかってきます。
2)墓の管理をする必要がない
墓があれば、お盆やお彼岸にお参りに行かれると思いますが、墓がなければ行くこともありませんし、掃除等の管理をする必要もありません。
3)承継者を立てる必要がない
墓があると、代々管理していく必要が出てきます。しかし、なければ当然管理する必要がないので次の世代に負担をかけることもありません。
墓を持たないデメリット
1)後の世代に負担を強いる可能性がある
墓を持たない場合、自分たちは良くても自分の子供たちはどうでしょうか?子供達が将来お墓に入りたいと思っても、墓が無いため自分で立てる必要が出てきます。お墓を持たないという選択は自分の代だけでなく、次の世代のことまで考えておく必要があるでしょう。
2)手を合わせる場所がなくなる
墓は単に遺骨の安置場所というだけでなく、故人を偲び心の拠り所でもあります。故人を悼む気持ちを向けられる場所があるということは、残された遺族や親戚、友人の方達の心のケアにもつながります。そういった場所がないということにも気を配る必要があります。
まとめ
「墓も葬式もいらない」
簡単なようですが、周りに及ぼす影響は計り知れません。
考え方や信条を否定するつもりも非難するつもりもありません。人それぞれ置かれた環境や立場など違いがります。
ただ、周りへの周知や配慮は必要だと思います。
この記事を通して墓を持たない・葬式をしないことが、残された遺族や親族にどのような影響があるか考えていただける材料になれば幸いです。